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私がセックスしない理由(わけ)

2006年11月公演

Chain Cutter

◆2006年11月2日(木)〜5日(日) 銀座小劇場にて

スタッフ

【作/演出】夢野さくら
【チラシデザイン】杉山彩子
【音響】柴田道幸・高松宏成(ジョイサウンドプロモーション)
【舞台美術】宮原修一((有)きさらぎ舎)
【舞台監督】植木英人((有)きさらぎ舎)
【照明】本間千鶴(ライトシップ)
【製作/主宰】演劇ユニットスーパーコンプレックス
【協力】FMG、SAYURI、俳協

キャスト

  • 杉山彩子
    杉山 彩子
  • 剣持直明
    剣持 直明
  • 原元太仁
    原元 太仁
  • 奈良谷優季
    奈良谷 優季
  • 中嶋ベン
    中嶋 ベン
  • 丸山まこと
    丸山 まこと
  • 志賀麻登佳
    志賀 麻登佳
  • 久保浩子
    久保 浩子
  • 木村晶子
    木村 晶子

ストーリー

Chapter1

三太と環は、結婚5ヶ月目の新婚カップル。しかし幼なじみだったことが災いし、結婚5ヶ月経った今でも、セックスどころかキスさえしていないという有様。最初環は、「お兄ちゃんは照れてるんじゃないか」と考えていたが、いくらなんでもおかしいと思い、会社の元同僚・小池ゆかりに相談を持ちかける。ゆかりは話を聞き終わると、「三太ホモ説」をぶちかまし、三太が帰ってきた途端セックスをせまることを提案する。その反応で、ホモかどうかがわかるというのだ。三太の義理の妹・裕子も、次第にお兄さんは怪しいといい始める。必死にホモじゃないといい続ける環だが、勤め先の郵便局から帰った途端、怪しい動きをする三太。ゆかりと裕子が帰ると、環はホモ疑惑を解明すべく、三太にセックスをしないかと持ちかける。突然の提案に緊張しまくりの三太だったが、嬉しくないわけもなく、照れながらもノリノリの三太。しかし突然、小学校からの同級生・オカマの蘭子が乱入し、消えかかっていた環の疑惑はますます深まっていくのだった・・・。

シーン1シーン2

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:いよいよ念願叶って、旗揚げ公演「Pure」の再演をさせていただきましたぁ!とはいっても、内容も登場人物も様変わりして、おまけにタイトルも全然違うので、(印象が正反対だといわれちゃった・・・)なんだか同じ作品とは思えないけど(笑)。旗揚げの時には脚本を担当しただけだったので、いろいろ悔いが残り、ぜひ演出もしたい!と思っていました。おかげで本を書いているときも稽古中も、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました!

杉山彩子(主演):ありえない、今時こんな事とお思いでしょうが、「セックスしないままの新婚生活」っていう設定は実話なんですよ。色んな結婚があるんですねぇ〜。さて、今回の舞台は、わかっていた事ですが、台詞が多い!殆ど、剣持さんと私の弾丸トークで頭から終わりまで進むので、体力を維持できず、二人ともへとへとでした。やはり8年前の初演とは違うんですねぇ。前回は違う意味で疲れたものの、体力は今より全然ありました(笑)でも、楽しかった。私これ、スパコンで一番好きな作品です!やっぱ、ロマコメはいいわぁ〜。

Chapter2

2人は、その後乱入した蘭子の店のオカマ・モモ子とバラ子、隣の部屋に住む幸子をどうにか帰し、ワインを飲み、昔話を始める。すると、三太が環からもらった就職祝いのジッポを、大昔に無くしてしまったことでケンカになる。三太は無くしてないといい張るのだが、だったら見せてと環がいっても、ここにはないからと一向に見せようとしない。せっかくのいいムードが一変し、険悪になる2人。そんな中、突然幸子が泊めてくれと訪ねてくる。同棲相手の貴昭とケンカしたのだ。貴昭と、なぜかモモ子とバラ子まで加わり、仕方なくケンカの仲裁を始める2人。実は幸子には、貴昭も知らなかった驚くような過去があった。21の時、当時付き合っていた彼の子供を妊娠した。まだ彼は学生だったが、大学をやめて働くからといわれ結婚した。しかし現実は甘くない。彼はその生活に耐えられず、お腹の大きい幸子を置いて家を出て行ってしまったのだ。途方にくれ、次第にお腹の子さえいなかったらと思い始める幸子。実際は死産だったが、自分は人殺しだ、今お腹の中にいる貴昭の子供も殺してしまうと泣きじゃくる幸子。そんな幸子を、貴昭は優しく見つめ、全てを受け止めるから結婚しようとプロポーズする。

シーン3シーン4

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:うちは劇団じゃないので、役者さんにあてて書くということをほとんどしないんだけど、今回は最初から、三太役の剣持さんと蘭子役の原元さん、幸子役の奈良谷さんが決定していたので、あて書きをしました。これってなかなかいいね。面白いものが書ける感じ。ただ・・・モテない設定の剣持さんに、「これは初演の時からの設定なんだよね?」と聞かれ、「違いますよ」と答えたら、めちゃくちゃヘコまれました(笑)ごめんなさい!剣持さん!そういう意味じゃないんですよ。(じゃあどういう意味だ!といわれても困るんだけどね)

杉山彩子(主演):いやぁ〜・・・貴昭のキャスティングは今回もっとも力を入れたところです!兎に角、胸キュンのカップルにしたかったので。組み合わせだけで、既に魅了的であるという事が大前提でした。幸子役の奈良谷さんと同世代の女性のハートをがっちりつかむ!それには年下の爽やか青年にこの役を演じてもらわねば・・・ということで、志賀くんに演じていただきました。そして、今回のもう一つのこだわり!それは、私が大好きな役者さんの、べんちゃんに出演していただく事でした。念願かない、感無量です!べんちゃんファンとしては最高の舞台でした。

Chapter3

幸子たちが帰り、またもや2人になる三太と環。すると環が突然「私が部長に振られた日、お兄ちゃんが一緒にいてくれなかったらどうなってたかな」とつぶやく。幼なじみだった2人が結婚した直接の理由・・・それは環の不倫だった。不倫の末に振られた環に、三太がプロポーズしたのだ。環はずっとそのことを気にしていた。もしかして私は、同情されていたのではないか。だからお兄ちゃんは、私に指1本触れないのだ・・・。何度も違うという三太。しかし納得しない環は、私はお兄ちゃんと結婚しても幸せじゃないといってしまう。三太は辛そうに顔をゆがめ「俺がお前の不倫話聞かされて楽しいと思ってるのか?お兄ちゃんって呼ぶな!俺はお前の兄貴じゃない!」といい残し、家を出て行く。1時間後、忘れたケータイを取りに蘭子が訪ねてくると、三太が交通事故に遭い、重態だとの知らせが!呆然としながら保険証を探す環。するとそこには、無くしたはずのジッポがあった。ジッポを見つめる環の心に、自分がどれほど三太を必要としていたのかという想いが湧きあがり、溢れ始める。

シーン5シーン6

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:三太と環がケンカするシーン、すっごく好きなんですよねぇ。特に三太が初めて自分の感情を表に出すところ。これは女性が思う男性の格好良さ!なので、男性陣にはあまり理解されないのが悲しい・・・。こういう男って、男性から見ると女々しいって思われちゃうみたい。しかし!三太のように、我慢に我慢を重ね、思わず本音がポロリと出て涙してしまうというのは、私にとってはすっごく素敵に思えるんだけどなぁ。・・・これって私だけじゃないよね?

杉山彩子(主演):このシーンの剣持さんはかっこよかったなぁ〜。勿論このシーンだけじゃないけど。何と言ってもあの包容力!人格の素晴らしさに魅了されましたよ!なんか「この人なら頼っていいんだ!」って思わせる人間の幅の広さ。おかげで、相手役として最高に演じやすかったです。逆に剣持さんの方は、相手役が私で大変だったかな?しかし、蘭子役の原元さんの衣装は、私的に凄かったわ。マッチョな腕をむっきり出して、それを包み込むトップスのフリル・・・。私、台本読んだ時、かっこいいおかまを想像してたのよねぇ。センスのいい、「おねえマン」って感じの・・・。またもや色物おかまが誕生したわね。

Chapter4

三太が無事に帰ってきたことで、事故が誤報とわかりホッとする一同。蘭子たちが帰ったあと、三太も出て行くといい始める。今のままでは、2人はやっていけないからと・・・。そんな三太に、環は渡したいものがあるとジッポを手渡す。実は三太、大切なジッポをいつも近くに持っていたいと、箱に入れ、郵便局に置いていた。しかし環に、自分の本当の想い・・・心から環を愛していると告げるため、家に持って帰ってきたのだ。その途端、何の因果か環が家中を整理してしまい、ジッポの行方がわからなくなっていた。探しても探しても出てこなかったジッポが、環の手から渡されたことで呆然とする三太。環はそんな三太に、今まで気づかなかったけど、私はお兄ちゃんが好き・・・すごく好きだったみたいと告げる。環の素直さ、率直さに圧倒されつつ、三太も戻ってきたジッポを見つめ、環に長い間心にしまっていた想いを告白する。2人はついに、本当の夫婦になるための第一歩を、ゆっくりと歩み出したのだった。

シーン7シーン8

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:剣持さんのやった三太は、スタッフ陣にすごい影響を与えてました!特に舞台監督の植木さん。いつも植木さんは芝居にのめりこんでくれるんだけど、今回は剣持さんがあまりに格好良くなっていくため、稽古中から本番中も「好きだよ。だってさ」とぶつぶついい続けてました。「あんたはこんな格好いい人間じゃないはずだ。エロ判事だったくせに。(CHAIN CUTTER参照)見損なったよ」だって(笑)。そして、「若い時、この格好良さを知っていればモテてたかも」ともね

杉山彩子(主演):いいねぇ、ハッピーエンドって!しかも、今回このラストのキスシーン、美しい!!!!!!!!!・・・・・らしい・・・・・。私には見えないのだぁ〜〜〜!あたりまえだけど。ロマンティックコメディーをこよなく愛する私は、やはりこういうラストが好きだわ。お客さんもやっぱり同じ想いだったようで、スパコンの中で、一番この作品が好きという方が非常に多かった。やっぱり、皆思う事は一緒なのね。次もロマコメよろしく!夢野さん!

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